ストレスに強くなる考え方や思考には、
心理学的な研究で効果が確認されているものがいくつかあります。
エビデンスに基づいた代表的な「ストレスに強い考え方」を紹介します。
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【1】認知の再評価(Cognitive Reappraisal)
・概要:出来事を「別の角度から捉え直す」ことで、感情的な負担を軽くする方法。
・研究根拠:Gross & John(2003)の研究などによって、
認知の再評価は不安・抑うつの軽減やストレス耐性の向上に有効とされています。
例)「失敗した=ダメな人間」ではなく、
「経験値が増えた」と考える 「忙しすぎる」ではなく、
「頼られている証拠」と見る
【2】成長マインドセット(Growth Mindset)
・概要:能力や知性は努力と学びで伸びると考える姿勢。
・研究根拠:キャロル・ドゥエック(Dweck, 2006)の研究によって、
成長マインドセットを持つ人は困難に粘り強く挑み、
ストレスに強い傾向があるとされています。
例)「私はまだこれができない」と言う(=将来的にはできる)
「失敗=成長のチャンス」と考える
【3】レジリエンス思考(Resilient Thinking)
・概要:困難に直面しても、現実を受け入れ、意味を見出し、前向きに対応する力。
・研究根拠:アメリカ心理学会(APA)は、
レジリエンスは学習可能なスキルであり、思考の柔軟性や問題解決能力を高めることで強化
例)「最悪だ。私はなんてダメなんだ」「もう信用されないかもしれない」ではなく
「ミスはしたけど、ここで学べることがある。次はどうすれば防げるかを考えよう」
「今回の失敗が、長期的に見れば自分の成長につながる」と考える
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おもしろいことにフランスでは、
ストレスは「悪」ではなく「管理すべきもの」 として受け止められることが多いそうです。
これは医学的にも心理学的にも一般化しており、ストレスを完全に排除しようとするのではなく、
「どう共存するか」に注目が集まっているということ。
例えば、職場でのストレスマネジメント研修は「ストレスの排除」ではなく
「ストレスとの付き合い方」に焦点を当てます。
『ストレスに強くなる考え方や思考』についてでした。
参考になればと思います。